老犬期


犬も5〜6年を過ぎると徐々に老化が始まります。特に最近では良く見られるようになった大型犬は、小型犬に比べて寿命が短く、非常に早く老化を迎えます。この時期に一番注意することは、やはりカロリーの与え過ぎです。推薦できるものは、老犬用のドッグフードを1日に1〜2回だけ与えることです。



通常この時期から、人間と同じように長い間の不摂生が体のいろいろな部分に現れてきます。いわゆる成人病と称するものです。心臓病、肝臓病、腎臓病、腫瘍、関節の病気など人間で考えられるあらゆる病気が、犬でも起こります。最大の原因は、肥満もしくは肥満していなくても長年与えられ続けた不適切な食事です。


先日、あるおじいちゃんとその飼い犬が来院しました。犬はげっそりとやせておりもう長くはないと言う感じで、検査の結果慢性腎不全の末期症状である尿毒症と重篤な肺炎を併発しておりました。彼の食事はおじいちゃんと同じものでした。長年の連れ合いが、不適切な食事のせいでこうなってしまったことをおじいちゃんは後悔しました。それとともに、おじいちゃんは自分の食生活を反省し、塩分を控えるようになったそうです。この犬は、おじいちゃんの身代わりになり、誰の言うことも効かなかったおじいちゃんの考え方を変えさせてしまったのです。ご存じだとが思いますが、犬は汗をかきませんので、人間ほど食事中の塩分は必要としません。


こんなことがおきないためにも、彼らが大変喜んで食べるものは彼らにとっては良くないものが多く、ドッグフードは喜ばなくても一番バランスのとれた良い食事なのです。病気になる原因は何も食事だけとは限ってはいませんが、やはり毎日必ずすることだけに、長い年月で考えてみると重要なポイントであることには変わりがありません。

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